私が、子供に教えることが難しいと感じることのひとつに、【命】【死】があります。
けれど、それと同時に、大切なことだからぜひ教えておきたいと感じることでもあります。
「死を恐れること」「命の大切さを知ること」は、自分と他者の命や心を大切にすることにつながるからです。
なかなか改まって話すことは難しいかもしれないけれど、絵本を通して【死】と【命】について話してみませんか?
【死】を描いた絵本
うさこちゃんのだいすきなおばあちゃん
うさこちゃんの大好きなおばあちゃんが亡くなります。
おばあちゃんのお葬式の様子を描いた絵本です。
悲しみの中で、涙を流し、おばあちゃんの大好きなお花をお墓に供えるうさこちゃん。
心の中で「だいすきなおばあちゃん」と語りかけます…。
ずーっとずっとだいすきだよ
主人公のぼくは、幼いころから飼い犬のエルフィーといつも一緒でした。
ぼくが成長するにつれて、エルフィーはだんだん年をとり、動きものろくなっていきます。
ある朝ぼくが起きたとき、エルフィーは動かなくなっていて…
小学一年生の国語の教科書にも掲載されている名作です。
エルフィーを大切に思うぼくの愛情に、胸が熱くなります。
のにっき
秋の野原で、一匹の小動物が死を迎えます。
大きな動物が来て死肉を食べ、小さな動物や鳥、虫がその体をつつきます。
風雨にさらされ、冬が過ぎ、やがてその屍を苗床にして、春にはたくさんの草花が芽を出します。
一匹の小動物の死と、その亡骸が土に還るまでが繊細かつかわいらしいタッチの絵で描かれる、セリフのない絵本です。
このあとどうしちゃおう
ヨシタケシンスケさんの哲学的絵本。
ぼくは、おじいちゃんが死んだあと、生前おじいちゃんが書いていた「死後の世界」についてのノートを見つけます。
そこに書いてあったおじいちゃんの想像する「このあと」の世界とは…?
死を描いた絵本【食肉動物の命】
しんでくれた
谷川俊太郎さんの詩に挿絵をつけた絵本です。
ぼくは、牛や豚や鶏が死んでくれたから毎日おいしいお肉が食べられる。
ドキっとする現実を、やさしい言葉で淡々と伝えてくれる詩。
食べているのは生きものだ
食品の加工化が進んだ現代では、実際の生き物の命をもらって食べているという考えが希薄になっています。
子供たちに、「世界中で食べられているものは、塩以外は生き物なのだ」ということを教えてくれる写真絵本です。
世界の食卓や市場から、さばいた牛や豚や羊の肉、魚、ネズミ、虫などが紹介されています。
普段、生活している中では改まって命について話す機会もないですね。
読み聞かせの一冊に、どうぞ加えてみてください。
