【思考力を鍛える】【ロジカルシンキング】
ここ数年、幼児教育や小学生の教育の情報を集めていて、よく聞く言葉ではないですか?
「計算の反復では、本当の思考力は身につかない!」とか
「これからの時代に必要なのは思考力だ!」など、たびたび教育雑誌やネット記事、幼児~小学生向けドリルで目にします。
大切だということはわかるけど、その正体はぼんやりしがちでいまいち掴めないのが「思考力」という言葉!
よく言われる「思考力」というものは、大きく分けると2つ。
- 物事を順序立てて解決に動く「論理的思考力」
- それに付随する、「試行錯誤力」「読解力」「説明力」「推理力」などをひっくるめたもの
最終的な目標は
「問題解決に向けて、課題を発見し、それにチャレンジしていく力」を、子供たちに身につけてもらうこと。
ドリル名 | 対象年齢 |
---|---|
かずと思考力 | 3~5才 |
シンキングスキル | 3~5才 |
はじめてなぞぺー | 年中~小1 |
きらめき算数脳 | 年長から各学年 |
きらめき思考力パズル | 小1から各学年 |
思考力アップ算数 | 小1から小4まで各学年 |
算数ラボ | 10級(小1)~ |
思考力ひろがるワーク | 小1~小3 |
ロジカルキッズワーク | 年長~小2 |
論理的思考力ドリル | 10才~120才 |
それを踏まえて、幼児~小学生向けの「思考力を鍛える」ドリルの比較をご覧ください。
どのドリルが、我が子に身につけたい「思考力」の正体に近いのか…?
Contents
思考力を鍛える算数ドリル 幼児~小学校低学年編
思考力を鍛えるドリル、幼児向けもたくさん出ています。
各ドリルの特色と、鍛えられる「思考力」とはどんなものなのでしょう。
幼児のパズル道場 かずと思考力(3・4・5歳)
「数量感覚」「仮説思考力」を磨くことを目的としたドリル。
- 5マス・10マス・20マスの長方形に積まれた積み木の数を見て、「いくつあるか」「あといくつで10(20)になるか」などを問うドリル
- 中盤からは足し算・引き算も出てくる
このドリルを作った「パズル道場」は、
「仮説思考力」「空間把握」「数量感覚」を3つの算数のセンスとしています。
「幼児のパズル道場」ドリルシリーズで鍛えられる力は
- 「仮説思考力」
- 「空間把握」
- 「数量感覚」
- 「ねばり強さ」
幼児のパズル道場シリーズからは、問題集付きのブロックも出ています!
我が家では、5歳の娘とこのけいさんブロックと付属の問題集を終えてから、購入済のパズル道場ドリルに取り組む予定です。
この「幼児のパズル道場」シリーズの続編(5歳~低学年向け)が、下の「天才脳ドリル」シリーズですね!
「天才脳ドリル」シリーズは、「数量感覚」「空間把握」「仮説思考」と国語の「語彙&表現」があります。
くもん シンキングスキル(3・4・5歳)
くもん出版からは幼児向けの「シンキングスキル」シリーズ。
「空間認識」には、迷路、パズル、高さ比べなどの問題があります。
同じシリーズには、「空間認識」「識別」「推理」「表現」と、それぞれの領域の「プラス」があります。(プラスの対象年齢は4~6歳)
2020年の学習指導要領の改訂では、小学校、中学校、高等学校のすべての教科において、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力、人間性等」の3要素からなる資質・能力の育成が目指されています。
また、同じく2020年には小学校でのプログラミング教育も必修化となり、話題を集めています。こちらも、単にスキルを身につけるだけでなく、「論理的思考力や創造性、問題解決能力等の育成」が目的とされています。
アメリカの教育学の考え方をもとに、シンキングスキル(論理的思考に必要な力)を「空間認識」「識別」「推理」「表現」の4つの領域に分けて学習していきます。
くもん出版 シンキングスキル サイトより引用
くもん「シンキングスキル」シリーズで鍛えられる力は
- 「形や空間をとらえる力」
- 「特徴や性質をよく見て識別する力」
- 「すじみち立てて推理する力」
- 「工夫して自由に表現する力」
↑このサイトから、それぞれのドリルをお試しダウンロードすることができますよ!
花まる学習会 新はじめてなぞぺ~(年中~小1)
花まる学習会からは、有名な「なぞぺーシリーズ」の「新はじめてなぞぺー」をご紹介します。
主催の高濱正伸先生は、「たくましい数理的思考力を育むには、4~8歳時期の【外遊び】【生活体験】【家庭の言語環境】などが重要」と述べられています。
その上で、遊びのように数理的にセンスのよい考えができる視点を身につけられるように作られた教材だということです。
条件迷路や合体図形、近道探しや規則さがしなど、問題は多様です。
花まる学習会「なぞぺー」シリーズで鍛えられる力は
- 「試行錯誤能力」
- 「発見能力」
- 「空間認識能力」
- 「平面図解能力」
- 「平面図形能力」
- 「論理能力」
なぞぺーシリーズ
「新はじめてなぞぺー」「なぞぺー①②③」「迷路なぞぺー入門編」「迷路なぞぺー」「図形なぞぺー」「空間なぞぺー」「整数なぞぺー」「論理なぞぺー」「絵なぞぺー」「鉄腕なぞぺー」「国語なぞぺー」「国語なぞぺー上級編」
花まる学習会といえば、算数アプリの「Think!Think!」も大人気ですね。
思考力を鍛えるドリル【算数】 小学生編
続いては、小学生向けの思考力を鍛えるドリルです。
SAPIX きらめき算数脳
- 中学受験塾SAPIXの、低中学年向けの通信教育「ピグマキッズくらぶ」と朝日小学生新聞の共同紙面企画から生まれた
- 見開きA3サイズのドリル紙面
- フルカラーのイラストと、細かな条件のついた問題文がぎっしり
- ゲームを利用した問題、パズル問題、読解力を必要とする問題が多数
レベル1~3が星の数で表されていて、取り組む順番も子供に決めてもらうのがよさそうです!
「数の世界の不思議」や「自分の頭で筋道を立てて考えていくことの楽しさ」を体験していただければ、これ以上の喜びはありません。
きらめき算数脳 「はじめに」より引用
SAPIX「きらめき算数脳」シリーズで鍛えられる力は…
- 「読解力」
- 「論理的思考力」
- 「問題解決力」
「きらめき算数脳」には、就学前の子供向けの「入学準備」編もありますね!
SAPIX きらめき思考力パズル
きらめき算数脳とは違い、A4サイズと小さく、パズル問題に特化したドリルです。
問題文もシンプルで、短い時間でも取り組みやすいのが特徴です。
中学入試では、パターンに当てはまらない問題や、さまざまな複合問題が数多く出されています。そのような問題を解くには、問題の意図を正確につかむ力、試行錯誤しながら粘り強く取り組み考え抜く力、答えが 本当に正しいのかと確かめてみる姿勢などが求められます。
きらめき思考力パズル 保護者のみなさまへ より引用
SAPIX「きらめき思考力パズル」で鍛えられる力は…
- 「論理的思考力」
- 「問題解決能力」
- 「チャレンジする精神力」
思考力アップ算数
これまで紹介してきたドリルと違う点は、パズルや迷路などを使用していないこと、
教科書の内容+αの構成になっている点です。
ひとつの単元が「きほん」「おうよう・きじゅつ」「ふくしゅうテスト」という構成になっています。
「おうよう・きじゅつ」では、なぜそのような答えになるのかを文章で記述させる問題が多くあります。
また、別冊になっている解答は、答え合わせがしやすいように本文と同じ形で、解答欄に赤字で解答が記載されています。
数研出版「思考力アップ算数」で鍛えられる力は…
- 「問題を図に表して考える力」
- 「順序立てて考える力」
- 「説明する力」
算数ラボ
算数・数学 思考力検定 を主催する、算数。数学思考力検定協会から出版されているシリーズです。
上のリンクから、各級のドリルのサンプルページを見ることができます。
問題の難易度によって3ステージに分かれていて、自然と難しい問題に取り組めるようになっています。
私たちは、日常のあらゆる場面で問題解決を求められています。
解決しなければならない問題に直面したときには、まず、さまざまな条件を考慮し、いくつもの筋道を考えて、その中から最も良いと思うことを選択することになります。ここで大切なのが、解決にいたるまでの過程、つまり筋道をどれだけ多く考えられるかということ。
そして、その中から最適な組み合わせは何かを判断することです。
思考力とは、問題解決のプロセスを構築する力。
これから未来に歩み進める子どもたちにこそ、この思考力が大切なのです。算数・数学 思考力検定HP「思考力はなぜ大切なのでしょうか?」より引用
「算数ラボ」シリーズで鍛えられる力は…
- 「問題解決のプロセスを構築する力」=「思考力」
思考力を鍛えるドリル【教科横断】小学生編
ここまでは主に、「教科としての算数へのアプローチ」の思考力系ドリルのご紹介でした。
ここからは算数特化でない、論理的思考力を鍛えるドリルをご紹介します。
Z会 思考力ひろがるワーク
- 幼児~大学受験までカバーする大手通信教育会社「Z会」の思考力ワーク
- 文字を並び替えて問題文の中から動物の名前を取り出す問題や、数列の穴埋め、てんびん問題、図形問題など
思考力を養う問題集に初めて取り組む方に、”入り口”としておすすめの1冊です。
さまざまな問題形式をご用意しましたので、「思考力」がバランスよく身につきます。
社会全体が、「自ら課題を見つけ、他社とともに行動して、答えや新しい価値を生み出せる人材」を求めているのです。
「思考力ひろがるワーク入門編」はじめに より引用
Z会「思考力ひろがるワーク」で鍛えられる力は…
- 「連想力(思いつく力)」
- 「試行錯誤力(いろいろ試す力)」
- 「論理的判断力(順序立ててきちんと考える力)」
- 「情報整理力(整理する力)」
- 「注意力(よく見る力)」
- 「推理力(見抜く力)」
思考力ひろがるワーク入門編の続編には
基礎編と標準編があります!
学習塾ロジム ロジカルキッズワーク
学習塾ロジムは、小学生から高校生を対象に、本格的なロジカルシンキングを土台とした指導をしている学習塾です。
その授業メソッドを家庭学習用に再構成して、スモールステップの問題配列にしたのがこの「ロジカルキッズワーク」です。
長めの文章を読んで、あとから設問に答えるスタイルが多く、読解力・説明力が鍛えられる印象です。
私がよいな、と思ったのは、「親子が触れ合う、他者と意見や考えを交し合うツールになるように設計されている」こと。
パパママと一緒に進めていく構成になっているんですね。
学習塾ロジム「ロジカルキッズワーク」で鍛えられる力は…
- 「課題を発見し・設定し、未知の課題に対して挑んでいく力」
- 「読み取る(把握する)力」
- 「アイデアを出す力」
- 「比べる(検証する)力」
- 「伝える力」
基礎編もあります!
論理的思考力ドリル
対象年齢は10歳~120歳と高めで、子供だけでなく大人向けに作られているのが大きな特徴です。
それだけに、子供が一人で解くにはかなり難しい印象です。
子供に論理的思考力の大切さや楽しさを教えるために、パパママが横で解いてみるのがよいかも!?
「論理的思考力ドリル」で鍛えられる力は…
- 「論理的思考力」=「読み取る」「ひらめく」「逆算する」「洗い出す」「組み立てる」
ひとくちに「思考力系ドリル」と言っても、それぞれのドリル、それぞれの製作者によって鍛えられる力にはばらつきがあります。
「思考力を鍛える」ドリルの目指す先にある最終目標は、
中学受験、大学受験を経た後に長く続く社会生活で必要な「問題解決に向けて、課題を発見し、それにチャレンジしていく力」を、子供たちに身につけてもらうこと。
計算や漢字の反復学習とはまた別で、こうした「思考力系ドリル」も一冊チャレンジしてみると、楽しく「思考力」を鍛えられそうですね!
在学児童の平均IQ150以上の聖徳学園式天才頭脳ドリルについては、「聖徳学園小学校のドリル!楽しみながら知能アップ」でまとめています。

幼児から小学生まで楽しく取り組めるのは「点描写」!
点描写に関しては、「おすすめ点描写・2019年度最新決定版!年齢。難易度に合ったドリルはこれ」にまとめています。

また、もっと小さな年齢から、集中力アップのために取り組めるのが○つけドリル。
○つけドリルは、「幼児の集中力アップにはこれ!あきびんごの○つけドリルがおすすめ」で詳しくまとめていますよ。
